第16回全国原発性肝癌追跡調査において, 全国795施設より2000年1月1日から2001年12月31日までの2年間における原発性肝癌症例として, 新規に19,920例が登録され, 94.5%が肝細胞癌, 3.6%が肝内胆管癌であった. また, 追跡症例は21,268例が登録され, 追跡症例の有効回答率は75.6%であった. 本報告では, 第16回新規登録症例を対象として死因, 既往歴, 臨床診断, 画像診断, 治療法別の各因子, 病理診断, 再発, 剖検についてまとめた. 肝移植については今回の調査で初めて調査対象となった. 特別集計として, 第11回から第16回まで新規登録症例の中で最終予後が生存または死亡となった症例 (不明を除く) について肝細胞癌, 肝内胆管癌, 混合型肝癌の治療法別, 背景因子別累積生存率を算出した. さらに肝細胞癌については治療法 (肝切除, 局所療法, 肝動脈塞栓療法) 別の累積生存率を算出した. 本追跡調査が肝癌の研究および診療の進歩に役立つことを期待する.