48 巻 (2007) 3 号 p. 91-96
症例は51歳,男性.B型肝硬変に対してLamivudine内服加療中であった.平成17年10月のdynamic CTで肝S6に径6cmと3cmの後期相で淡いdefectを示す腫瘍性病変が疑われ精査目的にて当科入院となった.入院時AFP 2.8ng/ml,PIVKA-II 31mAU/ml,Child-Pugh Aであった.両者ともSPIO-MRIではリゾビスト®の取り込みが見られた.また腹部血管造影では腫瘍濃染はなく,CTAPでは腫瘍内の門脈血流は周囲と比べ低下しているものの内部に門脈血流も観察された.B型肝硬変を背景とした腫瘍の増大の為,高分化型肝細胞癌(以下HCC)の可能性は否定できず狙撃生検を行った.病理結果は両者とも高分化型HCCであり外科紹介となった.高分化型HCCは腫瘍径の増大とともに脱分化するとされており,本症例のように大きくなることは少ない.文献的考察を加え報告する.