肝臓
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症例報告
ペグインターフェロン・リバビリン72週併用療法後の再燃に対し,インターフェロン単独療法の追加にて著効を得たC型慢性肝炎の1例
奥瀬 千晃公文 大輔小林 稔遠藤 陽木下 雄一野口 陽平伊澤 直樹小澤 俊一郎中原 一有山田 典栄岡本 賢高橋 秀明片倉 芳樹松永 光太郎松本 伸行石井 俊哉四柳 宏飯野 四郎鈴木 通博伊東 文生
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2008 年 49 巻 11 号 p. 495-500

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抄録

症例は59歳,女性.2005年5月,C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン・リバビリン併用療法を導入した.HCV genotypeは1bで治療前HCV RNA量は980 KIU/mlであった.開始後28週目からHCV RNAは持続陰性となった.Late viral responderと考えられたため72週間に治療期間を延長した.終了後4週目にHCV RNAが再出現し,8週目には2600 KIU/mlまで増加したが,16週目には5 KIU/ml未満となったため,コンセンサス・インターフェロン 900万単位の週3回投与を導入した.以後,HCV RNAが陰性を持続したため,24週間で投与終了としたが,Sustained viral responseに至った.ペグインターフェロン・リバビリン併用療法無効例であっても再燃後の反跳現象時にインターフェロン単独療法を行うことでHCVを排除させ得る症例があることが示された.

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© 2008 一般社団法人 日本肝臓学会
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