49 巻 (2008) 5 号 p. 209-217
異なる病態で急性肝不全を来たした成人T細胞白血病(ATL)の3症例を報告する.症例1は78歳男性.黄疸,発熱,全身倦怠感のため入院.肝機能障害,血小板減少を認め第7病日に死亡した.剖検でATL細胞からなるリンパ節と両肺のクリプトコッカス性の微小肉芽腫が認められた.ATL細胞の肝浸潤は軽度で胆汁うっ滞が認められた.症例2は63歳女性.食道カンジダ症,肝機能障害で入院した.異型リンパ球の増加,血小板減少とともに骨髄に血球貪食像が認められ,第8病日に死亡した.肝組織へのATL細胞の浸潤は軽度で肝細胞壊死は広汎であった.症例3は59歳男性.全身倦怠感,食欲不振で近医受診.肝機能障害,意識障害で入院し,第3病日に死亡した.剖検肝で高度のATL細胞の肝浸潤が認められた.症例1は肝外重症感染症による肝病変,症例2は血球貪食症候群,症例3はATL細胞の高度の浸潤に関連した肝障害と考えられた.