肝臓
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症例報告
切除不能と診断後,肝不全に至るまでの自然経過を観察し得た肝原発類上皮血管内皮腫の1例
須納瀬 豊平井 圭太郎吉成 大介戸塚 統戸谷 裕之小川 博臣高橋 憲史田中 和美小山 徹也竹吉 泉
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2010 年 51 巻 12 号 p. 751-757

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抄録

症例は27歳女性.2004年4月に上腹部痛のため近医を受診し,肝腫瘍の診断で当院に紹介となった.血液検査,腫瘍マーカーは正常範囲内であった.CTで肝両葉の表層に不整形の腫瘤を認め,辺縁のみが濃染した.PET-CTでは異常集積を認めなかった.肝生検では,紡錘形の腫瘍細胞が敷石状に増殖し,淡明な空胞と硝子様線維間質を伴っていた.免疫染色では第VIII因子関連抗原,CD31,CD34,vimentinが陽性,cytokeratin,desminが陰性で,類上皮血管内皮腫と診断した.切除不能なため肝動注化学療法を行ったが,その後経過観察となった.2007年までは自覚症状に変化はなかった.2008年より肝機能が悪化し,2009年には浮腫と腹水が出現した.CTでは時間と共に病巣が広がり,2009年には肝全体を腫瘍が占拠していた.同年9月に全身状態が悪化し,腫瘍の進行に伴う肝不全と腹膜播種で10月に死亡した.

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© 2010 一般社団法人 日本肝臓学会
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