肝臓
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原著
進行肝細胞癌に対するSorafenibの有効性と安全性―Kanagawa Liver Study Groupによる多施設共同研究―
森本 学沼田 和司近藤 正晃日高 央高田 樹一渋谷 明隆宮川 薫大川 伸一奥瀬 千晃田中 克明
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2010 年 51 巻 8 号 p. 411-417

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抄録

Sorafenibを導入した進行肝細胞癌76症例を集計し有効性と安全性を検討した.平均年齢は70.3歳,ECOG PS 1-2が31.6%,進行度Stage IVが48.7%を占めた.平均1日内服量は552 mg,画像評価(RECIST)でCR+PRを6.6%,SDを26.3%に認めた.総投与期間,画像無増悪期間,全生存期間の中央値はそれぞれ1.7カ月,2.9カ月,8.1カ月であった.Grade 3以上の有害事象は,前期登録症例,Child-Pugh B症例,血管進展を有する症例で多く発現し,全症例の22.4%が有害事象により治療中止に至った.全生存には,75歳未満,PS 0,SD以上の奏効が有意に寄与する因子であった.海外の既報に比して高齢者が多く,有害事象で治療中止に至り投与期間の短い実態が明らかとなった.今後,至適開始用量や投与方法等の再検討が望まれる.

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© 2010 一般社団法人 日本肝臓学会
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