肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
症例報告
経過観察中に全身性エリテマトーデスを発症した,肝細胞がん合併原発性胆汁性肝硬変の1例
石黒 晴哉木村 貴純二上 敏樹吉澤 海安部 宏須藤 訓相澤 良夫酒田 昭彦田尻 久雄
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キーワード: primary biliary cirrhosis, SLE, HCC
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2011 年 52 巻 10 号 p. 679-686

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抄録

症例は80歳,女性.2008年9月に肝障害で当科紹介となり,肝生検を含めた精査にて原発性胆汁性肝硬変(PBC)と診断した.その後,経過観察中の2009年9月まで徐々に汎血球減少が進行し,心嚢水貯留が出現した.抗核抗体が高値で,2本鎖抗DNA抗体が陽性であり,米国リウマチ学会の全身性エリテマトーデス(SLE)診断基準の11項目中4項目に合致し,SLEと診断した.さらに,2009年10月の腹部CTで肝S2に径22 mm大の肝細胞癌(HCC)を認めたため,SLEの加療として経口プレドニン20 mgを開始し汎血球減少症,心膜炎の改善を得た後,2010年1月に肝動脈塞栓術およびラジオ波焼灼療法を施行した.術後経過良好で現在経過観察中である.今回,我々はPBCの経過観察中にSLEを発症し,さらにHCCの発生も認めた,稀少かつ示唆に富む高齢のPBC症例を経験したので報告する.

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© 2011 一般社団法人 日本肝臓学会
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