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肝臓
Vol. 52 (2011) No. 3 P 169-175

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http://doi.org/10.2957/kanzo.52.169

症例報告

症例1は65歳,女性.19年前,蝶形紅斑と光線過敏があり,抗核抗体陽性,抗DNA抗体陽性を認め,SLEと診断された.プレドニゾロン(PSL)内服にて症状は改善し,PSL 10 mg/日の隔日投与でSLEの活動性はなく経過していた.SLE診断時から肝機能異常があり,精査目的に当科へ紹介となった.胆道系酵素優位の肝障害,抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性,肝生検にてPBC(Scheuer分類のII期)と診断された.症例2は,55歳,女性.3年前,肝障害を認めAMA陽性からPBCが疑われたが肝生検は施行されなかった.以後,UDCA内服にて肝障害は改善していた.今回,関節痛と全身倦怠感があり腹水の精査目的に入院となる.腹水は滲出性腹水であり,関節炎,漿膜炎,抗DNA抗体陽性,抗Sm抗体陽性から,SLEと診断した.肝生検組織所見では,門脈域の軽度のリンパ球浸潤と線維性拡大を認めた.SLEに対してPSL 20 mg/日が追加され,関節痛の改善と腹水の消失が得られた.PBCとSLEの合併は稀であり,膠原病患者における肝障害を考える上で貴重な症例と考えられ報告した.

Copyright © 2011 一般社団法人 日本肝臓学会

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