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肝臓
Vol. 53 (2012) No. 1 P 35-41

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http://doi.org/10.2957/kanzo.53.35

症例報告

症例は33歳男性.B型肝炎無症候性キャリアの経過観察中に悪性リンパ腫を発症し,2001年よりラミブジン(LVD)投与が開始された.2005年にbreakthrough hepatitisを発症し,アデフォビル(ADV)追加併用療法に移行した.2007年にはエンテカビル(ETV)単独治療へ変更された.2008年,2回目のbreakthrough hepatitisと悪性リンパ腫の再発を認め,再度LVD+ADV併用療法に変更した.しかし,ALT上昇とウイルス量高値が持続したため,耐性検査が実施された.L80I,L180M,A181T,T184I,M204I/Vの変異を確認し,多剤耐性変異と判断した.倫理委員会承認のもと,テノフォビル(TDF)+LVD併用療法を開始し,ウイルス量の低下と肝炎の改善が得られた.合併する悪性リンパ腫に対して,化学療法後にB型肝炎キャリアである実兄から同種骨髄移植を施行した.移植後ドナー由来の野生株によるウイルス血症を呈したが,治療継続により改善した.今回,多剤耐性変異株,かつドナー由来の野生株ウイルスに対し,TDFが著効した症例を経験したため報告する.

Copyright © 2012 一般社団法人 日本肝臓学会

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