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肝臓
Vol. 53 (2012) No. 5 p. 272-277

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http://doi.org/10.2957/kanzo.53.272

症例報告

炎症性筋線維芽細胞腫瘍(Inflammatory myofibroblastic tumor;IMT)は,筋線維芽細胞様の紡錘形細胞の増殖からなり,リンパ球や形質細胞などの炎症細胞浸潤を伴う腫瘍で,局所再発傾向を示すが,遠隔転移は稀である.肺を中心に全身に発生するものの肝原発IMTは極めて稀であり,検索し得た範囲では英文で13例の報告を認めるのみであった.肝原発IMTには特徴的な症状や画像所見が無く,病理診断の難易度も高い.治療法は外科的切除が第一選択であり化学療法,分子標的治療法などは未確立である.自験例は肝左葉腫瘍に対し,診断及び治療目的で肝左葉切除術が施行され,切除標本からIMTと診断された.術後7カ月で肝切除断端再発及び肺転移をきたし,肝・肺転移巣それぞれを再度外科的に切除するも再切除後12カ月で腫瘍の増大に伴う閉塞性黄疸から肝不全となり死亡した.診断,治療ともに困難な稀少例を経験したので文献的考察を加え報告する.

Copyright © 2012 一般社団法人 日本肝臓学会

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