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肝臓
Vol. 54 (2013) No. 1 p. 67-73

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http://doi.org/10.2957/kanzo.54.67

症例報告

症例は19歳女性.発熱,全身の皮疹,びらん,水疱を主訴に当科に紹介となった.皮膚病理組織からイブプロフェンまたはアセトアミノフェンが原因薬剤と思われる中毒性表皮壊死症と診断し,ステロイドパルス療法を行った.皮膚所見は速やかに改善したが,入院時より認めていた肝機能異常,黄疸は遷延した.入院から1カ月後の肝病理所見から胆管消失症候群と診断した.ウルソデオキシコール酸の内服投与にて肝機能異常,黄疸は徐々に改善し,約9カ月後に正常化した.本症例は発症1カ月,6カ月,11カ月に肝生検を行った.1回目の肝生検の病理像でほとんどの門脈域で胆管が消失していたが,2回目,3回目の肝病理像では再生した胆管が増生していく所見を観察し得た.中毒性表皮壊死症は胆管消失症候群を合併することが知られている.本症例は胆管消失症候群に対し,肝病理学的経過を追えた貴重な症例と考えられた.

Copyright © 2013 一般社団法人 日本肝臓学会

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