肝臓
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症例報告
完全自然壊死をきたしたと考えられた肝細胞癌の1例
田澤 宏文福田 三郎藤崎 成至先本 秀人江藤 高陽守屋 尚久賀 祥男西田 俊博
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2015 年 56 巻 12 号 p. 645-654

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抄録

症例は77歳,男性.労作時胸痛で当院受診となった.心臓CTで23 mm大の肺腫瘍および40 mm大の肝腫瘍を認めた.質的診断目的にPET-CTを施行し,肺腫瘍はSUV. Max 11.0で集積を認めたが,肝腫瘍には認めなかった.腫瘍マーカーであるPro-GRP, CYFRA, CEAは上昇していなかった.肺腫瘍に対して手術を行い,病理結果は大細胞神経内分泌癌:T1aN0M0 stageIAであった.術後,肝腫瘍に対して再評価を行い,約3カ月後のCT再検では,肝腫瘍に変化を認めなかった.さらにMRIでは,造影効果が乏しく肝細胞相でも低信号のままであった.18年前のCTでは肝腫瘍は存在せず,PIVKA-II, AFPも異常高値であった.HCV抗体陽性で,肝機能はChild-Pugh A, Liver damage A.以上より肝細胞癌の可能性を考慮し手術を行った.病理結果は肝細胞癌の完全壊死が考えられた.本症例は肺癌と同時性に認めた肝細胞癌の重複癌であり,さらにその肝細胞癌が自然完全壊死していた稀な症例である.文献的考察を交えて報告する.

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© 2015 一般社団法人 日本肝臓学会
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