佐賀県では2012年より佐賀県健康増進課と佐賀大学が協同で肝疾患データベース(DB)を構築してきた.このDBを用いて佐賀県のC型肝炎ウイルス(HCV)陽性者の現状を解析した.解析対象はHCV陽性者2460人,治療費助成受給者3110人.HCV陽性者の出生年は治療費助成受給者に比べ早く高齢化が進んでいた(1944±12年 vs. 1952±12年,p<0.001).治療費助成受給者における1939年以前出生の割合はHCV陽性者における割合に比べ低く高齢者の治療が進んでいないことが明らかとなった(11.5% vs 38.6%,p<0.001).治療法別では経口2剤治療登場後,1939年以前出生の割合が有意に増加しており高齢者の治療ハードルが下がっていることが読み取れた.治療の進歩に伴い未治療者のみならず既治療者も高齢化が進んでいくことが予想される.このことを踏まえた肝炎・肝がん対策が必要である.