肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
症例報告
術前診断に難渋した若年女性の多発性肝血管筋脂肪腫の1例
高岡 良成森本 直樹渡邊 俊司廣澤 拓也津久井 舞未子大竹 俊哉宮田 なつ実藤枝 毅長嶺 伸彦眞田 幸弘安田 是和福嶋 敬宜礒田 憲夫山本 博徳
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2015 年 56 巻 6 号 p. 289-295

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抄録

症例は22歳女性.胃腸炎症状で腹部超音波検査施行した際,肝左葉外側区域に10 cm大の肝腫瘍を指摘され,精査目的で入院.肝機能は正常,HBV,HCVの肝炎ウイルスマーカー,腫瘍マーカーは陰性で,各種画像検査から肝細胞腺腫,血管腫,限局性結節性過形成などの良性多血性肝腫瘍が疑われたが,大きさや出血のリスクを考慮して拡大肝左葉切除術を施行した.病理組織学的検査では腫瘍内に短紡錘性細胞が索状に増生し,血管周囲性の配列やわずかに脂肪成分も見られた.免疫染色ではHMB-45陽性であり,主腫瘍周囲にも同様の結節が散見されたことから多発性の肝血管筋脂肪腫と診断した.肝血管筋脂肪腫は血管,筋,脂肪から成る肝良性腫瘍で,脂肪成分を含む割合が様々であり,画像診断が困難なことがある.多発性の肝血管筋脂肪腫は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2015 一般社団法人 日本肝臓学会
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