肝臓
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原著
本邦におけるアルコール性肝細胞癌の現状―全国アンケート調査報告(2014年度)―
堀江 義則菊池 真大海老沼 浩利志波 俊輔谷木 信仁褚 柏松中本 伸宏金井 隆典
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2016 年 57 巻 10 号 p. 538-547

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抄録

本邦のアルコール総消費量は近年大きな変化はなく,欧米と同等の高い水準で推移している.今回,肝細胞癌(HCC)発症における飲酒の影響について検討した.全国の1496施設に対し,2014年度に診断・治療されたHCC患者についてアンケート調査を行った.7047例のHCC患者の成因は,HBV 13.9%,HCV 54.7%,HBV+HCV 3.6%,アルコール単独によるもの(ALD-HCC)13.9%,非アルコール性脂肪性肝疾患関連4.6%,その他9.5%で,2009年度と比較してALD-HCCの割合が増加傾向にあった.背景因子が確認された333例の初回診断ALD-HCCでは,平均年齢は69.8歳,男性が94%,糖尿病有病率50%,肝硬変合併率85%であった.AFP低値例が多く,66歳以上で肝硬変がない例とChild-PughスコアAの割合が多かった.肝予備能が保たれたまま長期に飲酒し,高齢になって肝発癌が増えたことが予測される.ALD-HCCへの対策としては早期介入による飲酒量の低減が根本的な課題ではあるが,画像診断等により早期にHCCを診断し,治療に結び付けることも今後の課題である.

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© 2016 一般社団法人 日本肝臓学会
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