肝臓
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症例報告
Trousseau症候群を合併した胆管細胞癌の2例
品川 陽子上村 顕也酒井 規裕熊木 大輔小川 光平安住 里英冨永 顕太郎坂牧 僚五十嵐 聡林 和直山本 幹水野 研一山際 訓寺井 崇二
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2017 年 58 巻 9 号 p. 528-535

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抄録

Trousseau症候群は,Trousseauによって1865年に報告された,悪性腫瘍に合併する血栓症である.その脳卒中症状は,重篤な神経症状を呈し,直接的に生命予後に関与しうる傍悪性腫瘍症候群の一つとして認識されている.今回,胆管細胞癌に脳卒中症状を呈するTrousseau症候群を合併し死亡した2例を経験したので報告する.症例1は90歳,男性,症例2は58歳,女性でいずれの症例も生活習慣病の危険因子を有し,40 mm前後の肝腫瘍で初診,各種画像検査,胆汁細胞診,組織診にて胆管細胞癌の診断となった.経過中,腫瘍の急激な増大,胆道出血を合併し,本症候群を発症しやすい状況であった.担癌患者では,病態が急速に進行する場合,凝固線溶系の異常値などに留意し,抗凝固療法の開始を含む対応が本症候群の発症を予防し,原病に対する治療介入の機会を増やしうる方法論であると考え,報告する.

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© 2017 一般社団法人 日本肝臓学会
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