肝臓
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原著
治験時のデータからみたTolvaptan投与継続の必要性:第3相試験に基づくPost hoc analysis
坂井田 功岩本 拓也柴崎 佳幸岡田 正
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キーワード: 肝硬変, Tolvaptan, 腹水, Rebound, 体重
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2018 年 59 巻 11 号 p. 633-640

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抄録

目的:Tolvaptan投与終了後の改善効果の消失に影響を与える要因について分析した.

方法:Tolvaptan投与7日目に1.5 kg以上の体重減少を認めた症例の中でTolvaptan投与7日目の体重と比較して観察期の体重増加>0 kgを示した症例をRebound group,体重増加がなかった症例をnon-Rebound groupと定義し,Tolvaptan開始時,およびTolvaptan投与終了時(7日目)の各種臨床パラメータを比較検討した.

結果:38例中,Rebound group 33例(86.8%),non-Rebound group 5例(13.2%)であった.Tolvaptan開始時,および投与終了時の各種パラメータを多変量解析したところ,いずれも腹水量が独立した因子として抽出された.

結語:Tolvaptan投与中止によってTolvaptanが有効であった症例ほど高率に体液貯留再燃を認めるため,その中止に関しては慎重に判断すべきである.

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© 2018 一般社団法人 日本肝臓学会
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