2018 年 59 巻 8 号 p. 427-432
症例は65歳,女性.57歳時より更年期障害に対してホルモン療法を施行されていたが,59歳時に腹痛精査の腹部超音波検査で3 cm大の肝腫瘤を指摘された.画像検査では肝細胞癌を否定できず,経皮的肝生検を施行,肝細胞腺腫と診断された.ホルモン療法を中止して,外来にて半年毎の経過観察となっていたが,発見時より6年後の腹部超音波検査では同腫瘤は4 cm大に増大していた.造影CT検査および造影MRI検査所見からは,肝細胞腺腫の悪性転化が疑われたため,腹腔鏡補助下肝S7亜区域切除術を施行した.病理組織検査では,FNH類似病変との診断であった.