肝臓
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原著
肝機能障害を契機に診断されたサルコイドーシス5例の検討
焦 光裕榎本 大小谷 晃平小田桐 直志吉田 香奈子元山 宏行小塚 立蔵藤井 英樹萩原 淳司打田 佐和子森川 浩安村上 善基田守 昭博河田 則文
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2019 年 60 巻 11 号 p. 405-413

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抄録

サルコイドーシスは肺,心臓,眼,皮膚等に病変が見られることが多いが,肝臓に病変を有する症例も存在する.肝サルコイドーシスの診断はしばしば難渋することが多いが,肝機能障害が契機となり,確定診断には肝生検が有用である.今回,当院にて肝機能障害を契機に診断されたサルコイドーシスの5例を既報例と併せて検討した.頻度は中年女性に多く,多くの症例でALP異常優位の肝機能障害を認めた.治療としてステロイドやウルソデオキシコール酸が用いられたが,肝硬変へ進展し死亡する症例も認められた.組織学的に炎症が強い場合,ステロイド投与にも関わらず肝硬変へ進展する症例がある.またウルソデオキシコール酸には病状の進行を遅延させる可能性が示唆されている.

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© 2019 一般社団法人 日本肝臓学会
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