肝臓
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症例報告
胃癌術後肝転移として切除した肝硬化性血管腫の1例
岩谷 慶照酒井 哲也阿見 勝也田中 正樹田淵 智美森本 大樹河野 誠之辰巳 嘉章竹長 真紀福岡 正人橘 史朗伊藤 敬西上 隆之
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2019 年 60 巻 11 号 p. 433-438

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抄録

今回われわれは胃癌術後の肝転移として切除したが,病理組織学的診断は肝硬化性血管腫であった肝腫瘤症例を経験した.症例は85歳,男性.胃癌(T4a,N3,M0,stageIIIC)術後のフォローアップCT検査で肝S7に単発性の乏血性腫瘤が認められた.転移性肝癌と診断しWeekly PTX 50 mg/bodyによる全身化学療法を行ったところ縮小したが,他に新規病変が出現しなかったため肝部分切除術を施行した.病理組織学的診断は肝硬化性血管腫であった.肝硬化性血管腫は海綿状血管腫が線維化,硝子化などの退行性変化をきたした比較的まれな病態である.癌の術後に新規病変が認められた場合や遠隔転移の診断での全身化学療法施行時においても,常に鑑別を意識して画像評価を行うべきと考えられた.

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© 2019 一般社団法人 日本肝臓学会
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