2021 年 62 巻 3 号 p. 169-171
肝硬変患者の治療の基本は栄養療法である1).栄養療法で重要な意義を担う栄養指導は,患者が直近約1週間分の食事品目を自己申告し,管理栄養士が面談しつつ摂取カロリーおよび栄養素を算出して行われる.通常は患者の来院後に過去の食事品目から摂取カロリーおよび栄養素を計算してから指導が開始されるので効率的ではない場合もある.
人工知能(Artificial Intelligence:AI)を用いた栄養管理アプリケーションソフトが開発され実用化されているが,その多くは体重減量や筋力増強を目的としたものであり,医療の現場で患者に用いるソフトは開発されていない.
本研究では,人工知能を用いて肝硬変患者が摂取した食事を自動的に解析した際の患者の受け入れ状況と,人工知能の解析能について検討を行った.