肝臓
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症例報告
免疫チェックポイント阻害薬治療後にステロイド使用による慢性E型肝炎を発症した肝細胞癌の1例
添田 敦子石井 花霞大曽根 礼澤 龍太郎和田 拓海津金 祐亮姫井 紅里佐浦 勲根本 絵美丹下 善隆江南 ちあき越智 大介臺 勇一池澤 和人
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2025 年 66 巻 10 号 p. 435-442

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抄録

70歳代男性.約10年前にインターフェロン併用療法によりC型慢性肝炎はSVRとなったが,通院が途絶えていた.貧血精査にて造影CTを施行したところ,乏血性の多発肝腫瘍を認めた.肝生検で高分化型肝細胞癌と診断され,全身薬物療法を選択しデュルバルマブ+トレメリムマブを導入したが,3コースでPDとなり,次治療としてレンバチニブを開始した.2カ月後Grade 3の肝障害が出現し,薬物性肝障害および免疫チェックポイント阻害薬(ICI)によるirAEを疑った.PSLによる治療を開始したが,その後IgA HEV抗体陽性の報告が到着し急性E型肝炎と診断された.irAEの合併も考えられ,PSLの減量・中止は困難となりHEV感染は持続した.5カ月後に肝障害の悪化を認め,リバビリンを開始したところ,ウイルス量の減少とともに肝障害も改善した.今後はICI治療に合併するE型肝炎の慢性化にも注意を払うべきと考える.

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© 2025 一般社団法人 日本肝臓学会
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