15 巻 (1974) 5 号 p. 279-291
原発性肝細胞癌は,最近の診断法および治療法の進歩にかんがみ,早期に占拠部位,拡がり,肉眼形態,発育速度,肝硬変の合併の有無などを判定する必要がある.従来はEggelの1)びまん型,2)結節型,3)塊状型に分ける分類が用いられたが,これは,多彩な形態と発育様式を示す肝細胞癌の肉眼分類としてはあまりに大まかであった.診断および治療法選択に資するようなきめの細かい肉眼分類の確立が必要であると考える.よってヒョランヂオーマを除き,肉眼形態の判定可能な112例の肝細胞癌肝臓につき検討し,腫瘍の大きさよりもむしろ割面の性状,ことに肝実質との境界の状態,拡がりに重点をおいて,また血管造影所見など臨床診断的特徴を意識しながら分類を行った.その結果,従来のびまん・結節・塊状の3大型をそれぞれびまん型と細結節撒布型の2型,多結節,寡結節硬変型,被包型,結節塊状型の4型,および単塊状型,融合塊状型の2型に細分した.これら計8つの型のそれぞれ代表的肉眼写真を示し,今後臨床所見その他との対比を行い,早期診断と予後の見通しをつける事に役立たせたいと考える.