肝臓
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コリン欠乏性肝硬変ラットにおける門脈圧亢進の発生原因-肝動脈の意義ならびに肝内血管抵抗の増大部位について-
芝山 雄老
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1975 年 16 巻 6 号 p. 332-340

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抄録

正常およびコリン欠乏性肝硬変ラットの門脈,肝内終末門脈枝,中心静脈ならびに下大静脈の血圧を測定し,肝動脈結紮によるそれらの血圧の変化を測定することによって,門脈圧亢進の発生原因に関与する肝内血管抵抗の増大部位および肝動脈の意義を検討した.肝硬変ラットにおける門脈圧および肝内終末門脈枝圧は各々約102および40mmH2O上昇していたが,中心静脈および下大静脈の血圧には著変はなかった.肝門部門脈における血圧上昇の13%は肝動脈に,56%は肝内門脈の血管抵抗増大に,27%は類洞の血管抵抗増大によると計算された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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