肝臓
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Kasabach-Merritt症候群を呈した巨大肝血管腫の一例
垣内 佐十志田川 新生浜口 浩一加藤 重毅渡辺 一美塚本 久和田中 健二小坂 義種竹沢 英郎楠瀬 桂池田 弘徳野口 孝川原田 嘉文水本 龍二
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1978 年 19 巻 1 号 p. 86-92

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抄録
42歳の男性でKasabach-Merritt症候群を呈した巨大肝海綿状血管腫の一例を経験した.主な症候は腹部膨満感と肝腫大であり,肝機能検査では著明な異常は認めず,腹腔鏡ならびに肝の血管造影で肝左葉全体及び中葉の一部に血管腫を確認した.また,凝血学的検査で血小板,fibrinogenの減少,第V因子の低下,FDPの上昇などを認め消耗性凝固障害の存在が考えられ,131I-fibrinogenによるシンチグラムで腫瘍に一致するactivityを認めたことより局所的な血管内凝固を確認した.本凝固障害に対してヘパリン,抗プラスミン剤投与が施行されたが効を奏せず,肝左半切除術で腫瘍を摘出することにより,速やかに凝血学的所見の改善が得られた.摘出標本は2,500g,組織学的には海綿状血管腫で,一部の血管内にfibrinの沈着を認め,典型的なKasabach-Merritt症候群を呈した肝海綿状血管腫であつた.
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© 社団法人 日本肝臓学会
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