19 巻 (1978) 9 号 p. 886-893
充分な組織学的検索をおこなうことが出来た壁内浸潤型胆管癌15例について臨床的ならびに病理学的に検討を加えた.壁内浸潤型胆管癌はPTCで完全閉塞例においては閉塞端はU型の先端がとがった“宝珠型”を示し,不完全閉塞例ではその先端が種々の程度に開存している.組織学的にはスキルスであるが,比較的分化した腺癌で胃のスキルスとは異なった性状を示す.胆管壁内リンパ管への侵襲を認める例が多いが,リンパ節転移,遠隔転移は少ない.治療としては病変部のみの切除では断端に癌細胞を残す危険性が大きく,術中凍結標本にても断端の癌細胞の有無を確定することが困難である、病変はslow growingであり,切除不能例でも確実な黄疸軽減術で2年以上の長期生存が得られている.姑息的手術としては腫瘍内貫通による外胆汁瘻が確実であり,PTCにて完全閉塞を示した症例でもその病理形態学的特性から充分安金におこなえる.