20 巻 (1979) 10 号 p. 1048-1055
経皮経肝的門脈造影法を応用し,肝硬変症23例を中心とした28例の肝疾患々者の肝外絡率を測定した.肝硬変症の肝外短絡率は0~52.4%と広く分布したが,他疾患では門脈狭窄症の1例を除いて0~7.3%と低値であった.肝硬変症の肝外短絡率は病因や硬変肝の結節の大小と相関はなく,黄疽,腹水,一般肝機能検査成績とも相関しなかった.肝外短絡率は門脈圧,門脈造影上の左胃静脈短絡路の発達程度と良い相関が認められた.しかし肝外短絡率と内視鏡的食道静脈瘤の発達程度との間に多少の相違が認められた.又吐血群の肝外短絡率は非吐血群に比して有意に高い,門脈圧360mmH2O以上,肝外短絡率35%以上の症例は高率に吐血が認められ,門脈圧と肝外短絡率の2つのパラメーターを組合せれば吐血の予測,予防手術の適応決定等に応用可能であることを述べた.