肝臓
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Print ISSN : 0451-4203
劇症肝炎に対する血漿交換療法の検討
5症例についての経験から
坂本 久浩清水 勝原田 英治大竹 寛雄田中 慧大林 明
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21 巻 (1980) 6 号 p. 723-729

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抄録

輸血後に発生した劇症肝炎5症例に対して,intermittent flow centrifuge (IFC)或いはcontinuous flow centrifuge (CFC)を使用して,患者血漿と新鮮凍結血漿(FFP)とを連続的に交換した.1回に交換した血漿量は,30~40単位(約2,400~3,200ml)で,2~3時間を要した.5症例に対して平均2.4回(1~4回)の血漿交換を行い,2例に完全な意識レベルの回復をみた.1例(75歳,男)は2回の血漿交換で完全に覚醒し,他の1例(67歳,女)は3回の交換により著明な意識レベルの改善をみ,血液潅流を追加することによって完全に覚醒した.しかしながら,両症例とも覚醒後も黄疸が増強し,それぞれ26日と41日後に合併症と意識障害をきたして死亡した.他の3例については,血漿交換は無効であった.以上の成績から,劇症肝炎に対する血漿交換療法は今後なお検討すべき肝支持療法の一つと考える.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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