肝臓
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Radioimmunoassay法によるHBe抗原・抗体と血中DNA Polymerase活性及び血中Dane粒子のB型慢性肝疾患患者における経時的変動について
水野 元夫山田 剛太郎坂本 裕治西原 隆長島 秀夫
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1981 年 22 巻 12 号 p. 1662-1669

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抄録

25例のHBs抗原陽性慢性肝疾患患者の血清95検体を用いて経時的にRadioimmunoassay (RIA)法でHBe抗原・抗体を測定し,同時に血中DNA polymerase (DNA-P)活性,Dane粒子を検索し両者の関連を検討した.RIA法でHBe抗原陽性群のDNA-P活性はHBe抗体陽性群に比し有意に高値を示したが,HBe抗原陽性群でも約1/3の検体でDNA-P活性は低値を示した.急性増悪を伴う慢性肝炎10例の経時的観察では,HBe抗原持続陽性例は4例で,うち3例ではDNA-P活性は常時高くDane粒子も多く観察されたが,1例ではDNA-P活性もたえず低くDane粒子もごく少数であった.急性増悪期に一致してHBe抗原からHBe抗体または判定保留へと変動を示した4例中3例では,DNA-P活性やDane粒子の増減がほぼ平行して経過したが,1例では急性増悪時にもDNA-P活性やDane粒子は低値のままであった.経過中主としてHBe抗体が検出された2例では,急性増悪期にHBe抗体陽性ないし判定保留でも一過性にDNA-P活性の上昇やDane粒子の増加が観察された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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