肝細胞内小器官である微小管は,肝内で合成される物質の輸送に関与することが知られているが,胆汁分泌における役割については不明である.著者らは,コルヒチンによる微小管障害実験により,胆汁分泌機構の面より検討を加えた.コルヒチン投与後(0.05, 0.1, 0.03mg/100g体重)6時間目のラットでは胆汁分泌量,胆汁中胆汁酸排泄量には変化がなかったが,taurocholic acid (10μmol/100g体重)を静注すると,胆汁量および胆汁中胆汁酸は共に著しく低下した.C14 taurocholic acidによる負荷胆汁酸の血中消失,胆汁中への排泄はいずれも対照群に比して遅延し,投与された胆汁酸のとりこみや,毛細胆管への分泌過程が障害されているものと考えられた.これらの結果は,負荷胆汁酸の排泄に,微小管が関与することを示すものと思われる.また,微小管はvesicular transportに介在することから,負荷された胆汁酸の分泌にvesicular transportが関与している可能性も示唆される.