肝臓
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著明な低ガンマグロブリン血症を伴った薬剤起因性肝内胆汁うっ滞症の1例
前山 豊明服巻 勝正大曲 和博平井 賢治和田 達郎松本 博神代 龍吉江口 尚久安倍 弘彦谷川 久一
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1982 年 23 巻 3 号 p. 317-324

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抄録

ST (sulfamethoxazol trimethoprim)合剤内服後,約2週目に発熱,発疹,黄疸にて発症した薬剤起因性肝内胆汁うっ滞症に伴って,著明な低ガンマグロブリン血症を呈す症例を経験した.ことにIgAの低下が特徴的で,黄疸が消失して約1カ年経過した時点においても,その回復は不良である.同時に,ツ反応・PHA皮膚試験陰性など,細胞性免疫の低下を示唆する所見が,黄疸消失時まで持続した.
以上の病態は,続発性免疫不全と考えられるが,発現機序は不明である.免疫グロブリンの低下に関しては,その分化過程で,起因薬剤が何らかの障害を及ぼした結果と考えられるが,細胞性免疫の低下については,胆汁うっ滞との関連,ことに胆汁酸の影響が推測された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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