Transcatheter arterial embolizationを行なった原発性肝癌のうち,超音波検査で経過観察した20例につき,超音波像の変化を検討した.embolization後,10例に非常に輝度の強いhigh level echoを腫瘍内に認めたが,これはCT scanとの比較により腫瘍内部のairであると考えられ,embolization後の腫瘍内air産生の可能性が示唆された.embolization後の腫瘍のecho patternの変化は多彩であったが,embolization有効例では75%に腫瘍のecho levelの低下をみた.一方embolizationが無効であった1例ではecho levelが上昇した.経過観察中,血管造影上再燃を認めた例ではecho levelが上昇した.この結果,無侵襲であるため反復検査が可能な超音波断層法は,embolizationの効果判定及び経過観察に有用であると考えられた.