肝臓
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肝動脈塞栓術による原発性肝癌の超音波像の経時的変化
栗岡 成人仲島 信也岡 博子貫野 徹朝井 均門奈 丈之山本 祐夫小林 伸行佐藤 守男中塚 春樹山田 龍作
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1982 年 23 巻 4 号 p. 413-419

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抄録

Transcatheter arterial embolizationを行なった原発性肝癌のうち,超音波検査で経過観察した20例につき,超音波像の変化を検討した.embolization後,10例に非常に輝度の強いhigh level echoを腫瘍内に認めたが,これはCT scanとの比較により腫瘍内部のairであると考えられ,embolization後の腫瘍内air産生の可能性が示唆された.embolization後の腫瘍のecho patternの変化は多彩であったが,embolization有効例では75%に腫瘍のecho levelの低下をみた.一方embolizationが無効であった1例ではecho levelが上昇した.経過観察中,血管造影上再燃を認めた例ではecho levelが上昇した.この結果,無侵襲であるため反復検査が可能な超音波断層法は,embolizationの効果判定及び経過観察に有用であると考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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