2年間以上経過観察しかつ組織学的検索を行いえたHBs抗原陽性の慢性肝炎70例につきHBe抗原,anti-HBeを経時的に検索した.その結果,経過観察開始時HBe抗原が検出された43例中27例ではHBe抗原が持続し,16例ではHBe抗原が消失,うち9例ではHBe抗原からanti-HBeへのseroconversionを認めた.当初anti-HBeが検出された23例中21例ではanti-HBeが持続し,2例ではanti-HBeが消失,うち1例ではHBe抗原の出現を認めた.肝組織像の推移を検索しえたHBe抗原持続群の18例中12例が組織学的に増悪を示し,うち7例が肝硬変へ進展した.これに対しanti-HBe持続群の12例では1例が組織学的に増悪したが肝硬変への進展は認めなかった.seroconversion群9例では,相対的に女性が多く比較的若年者が多く,組織学的に小葉構造の歪みの少ない段階の症例が多く,それらの症例では出現したanti-HBeは高力価で持続したが,一部の症例では出現したanti-HBeが低力価でしかも出没して検出された.