肝臓
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特発性門脈圧亢進症における肝内肝静脈の病理学的変化について
福田 一典鹿毛 政義元山 福祥荒川 正博
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1982 年 23 巻 9 号 p. 1015-1023

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抄録

特発性門脈圧亢進症(IPH)の肝静脈系の病変の病理学的特徴をまとめ,肝静脈造影所見との対比,IPHの病態との関連および,その成因につき検討した.
IPH肝では一般に,被膜下領域や萎縮の目立つ領域において肝静脈枝に弾性線維の増生を伴った壁の肥厚,内腔の狭小化を認めるが肝実質の保たれている領域では肝静脈枝の変化は軽度である.肝静脈造影にてみられる細枝の狭小化や分岐の鋭角化などの所見は,肝静脈相互間の近接,壁の肥厚,内腔の狭小化によるもので,組織学的には肝実質の萎縮を示唆する所見を呈している.肝静脈相互間吻合は肝実質の脱落によりおこり,IPHや日本住血吸虫症など末梢門脈枝の閉塞をおこす病態に特徴的所見と思われる.IPHにおける肝静脈系の病変の成因に関しては,主として肝実質の血流低下による二次的な変化と考えられるが,他の因子の関与も否定できない.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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