肝臓
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Print ISSN : 0451-4203
A型肝炎ウイルス,B型肝炎ウイルス,Epstein-Barrウイルスの三重感染がみられた1症例
児嶋 勝向坂 彰太郎上田 寛瀬戸山 浩佐田 通夫吉田 博前山 豊明安倍 弘彦谷川 久一
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23 巻 (1982) 9 号 p. 1043-1048

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抄録

B型肝炎ウイルスcarrierがA型肝炎に罹患し,Epstein-Barrウイルス抗体系にも興味ある変動を示した症例を経験した.
32歳の男性で,発熱黄疸を初発症状として発症したA型肝炎の入院症例で,急性期のIgM-HA抗体は高値を示し,HBs抗原価は×25, HBc抗体価は×210であった.臨床経過をみると,血清トランスアミナーゼ値の再上昇をくり返し,急性期の肝組織像より,B型慢性肝炎にHAVが重感染した例と考えられた.HBs抗原,HBc抗体は経過中有意の変動は示さず,HBe抗原,抗体は陰性であった.また入院時,IgM-VCA抗体40倍,IgG-EA-D抗体40倍,EBNA抗体40倍を示し,EBVのrecent infection(最近感染)が考えられたが,IgM-VCA抗体,IgG-EA-D抗体が長期間陽性値を示した.この原因としてHAVの関与が推測された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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