肝臓
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多発性肺動静脈瘻を証明しえたチアノーゼを伴うアルコール性肝硬変の一例
田辺 利男水尾 仁志羽二生 輝樹美馬 聰昭福田 守道
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23 巻 (1982) 9 号 p. 1065-1072

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抄録

肝硬変に合併した多発性肺動静脈瘻を,血管造影で証明した一症例を報告する.症例は42歳,男性.アルコール性肝硬変として5年間経過を観察した後に,労作時の息切れとチアノーゼ,桴状指を伴うようになり入院.Wedge pulmonary angiographyにより多発性肺動静脈瘻を証明し,胸腔鏡でも胸膜表面のteleangiectasia,いわゆる“lung spider naevi”を認めた.腹腔鏡下肝生検による肝硬変の経過は,wide septum micronodular typeからnarrow septum macronodular typeへと変化した.
肝硬変症に伴うチアノーゼ発生機序の有力な説として,多発性の肺内動静脈短絡が考えられているが,血管造影により動静脈瘻を証明することは極めて稀で,調べた限りでは,剖検例を含めて十数例の報告しかない.この症例は,血管造影で肺動静脈瘻を証明した本邦初の症例と思われる.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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