稀な組織型である混合型肝癌(combined hepatocellular and cholangiocarcinoma, WHO分類)の剖検腫瘍組織をヌードマウスの皮下に移植し,可移植腫瘍KNOCH株を樹立した.KNOCH株の組織像は,その主体が著明な細胞の腺腔配列と粘液分泌を伴う分化型胆管細胞癌で,剖検で見られた肝細胞癌の索状配列の組織はほぼ消失し,その特徴は各継代において保たれた.標式抗体法を用いた腫瘍組織内AFPの局在を検討したが,最初の移植に用いた患者腫瘍組織ではAFPを認めたが,KNOCH腫瘍組織中には認められなかった.また,KNOCH株は超徴形態的には活発な分泌像を伴うmicrovilliと,発達したrootlet,基底膜構造等が見られ,胆管上皮の特徴を示した.ヌードマウス血中には50~100ng/mlのCEAが存在するが,AFPは極めて低値であった.以上よりヌードマウスに移植された混合型肝癌細胞はマウス体内では胆管細胞癌としての性状が優位であり,そのhistogenesisについて,幾つかの可能性が示唆された.