24 巻 (1983) 4 号 p. 405-411
phenobarbital投与ラット肝より薬物代謝系酵素であるepoxide hydrase(以下EHと略す)を精製し,その特異抗血清により,preneoplastic antigen(以下PN抗原と略す)の生化学的性質について検討した.免疫化学的方法ならびにSDS-ポリアクリルアミド電気泳動により,PN抗原とEHの抗原性は同一ではあるが,しかしPN抗原はEHそのものではなく,EHに少なくとも分子量27,000のproteinが結合したprotein complexであることが考えられた.EHに結合したproteinの生化学的性質は明らかではないが,このようなEHとあるproteinのcomplexとしてのPN抗原が存在するということは,化学発癌過程における肝microsome膜の変化と密接に関係していると思われる.