肝臓
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慢性肝疾患におけるNK細胞活性-免疫賦活剤NK421投与時の変動について
鵜浦 雅志古沢 明彦樋上 義伸小松 義和平井 信行加登 康洋小林 健一服部 信
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1983 年 24 巻 7 号 p. 776-780

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抄録

肝硬変(LC)25例,および肝硬変合併肝細胞癌(LC+HCC)8例に,K562細胞を的細胞とし,51Cr標識細胞障害試験により,natural killer(NK)細胞活性を測定し,且,LC16例に経口免疫賦活剤であるNK421 (Bestatin) 30mg/日を1ヵ月間投与してNK細胞活性に及ぼす影響を検討した.各群におけるNK細胞活性は,正常対照群38.0±3.2%(mean±SE),LC群28.5±2.1%,LC+HCC群29.7±4.4%であり,その差は有意であった(p<0.05).Bes-tatinを投与したLC群のNK細胞活性は投与前29.7±3.2%,4週目43.8±5.1%でありBes-tatin投与によるNK細胞活性の増強が認められ,その差は有意であった(p<0.05)が正常対照群,Bestatin非投与LC群には有意の変化は認められなかった.以上よりLC群およびLC+HCC群ではNK細胞活性は低下しているが,Bestatinの投与にてLC群のNK細胞活性は有意に増強しうると結論された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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