肝臓
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各種肝疾患における肝生検組織内銅濃度
矢崎 康幸
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1984 年 25 巻 10 号 p. 1260-1272

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抄録

閉塞性黄疸を除く各種肝疾患338例につき,肝組織内銅濃度(以下,銅濃度)を原子吸光法により測定し,肝病態との関係を検討した.従来より銅濃度の上昇する肝疾患としてウィルソン病,原発性胆汁性肝硬変などが知られているが,それら以外にも脂肪肝,肝炎後高間接ビリルビン血症,急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変,慢性アルコール性肝障害,急性肝内胆汁うっ滞,Dubin-Johnson症候群などで,時に150μg/g・dry weight以上の高値を呈する例がある.脂肪肝ではウィルソン病に匹敵する高値側もみられるが減食療法による脂肪肝の改善に伴い,銅濃度も低下した.原発性胆汁性肝硬変では銅濃度が200μg/g・dry weightを越えると肝細胞核周囲に高濃度の銅を含む大型の二次ライソソームが出現するが,ライソソーム膜が健常な場合は電顕的に細胞小器官,核に特別な異常をみとめなかった.慢性肝炎では活動型の方が非活動型よりも有意に銅濃度が上昇していた(p<0.01).

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© 社団法人 日本肝臓学会
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