肝臓
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パルスドップラー複合装置による門脈・脾血流速度,血流量測定の臨床的意義
斉藤 正之寺林 秀隆和田 勝則中山 隆雅野村 文夫高円 博文大西 久仁彦奥田 邦雄
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1984 年 25 巻 10 号 p. 1281-1287

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抄録

超音波パルスドップラー法を用いて,解疾患における門脈血行動態の変化について検討した.対象は,健康成人41人,慢性肝炎45人,肝硬変56人で,安静空腹時,背臥位にて門脈・脾静脈の径,血流速度および血流量の測定を行った.門脈血流速度は,健康成人,慢性肝炎,肝硬変の順に有意に減少していた.一方,門脈径は,同じ順に有意に増加していた.門脈血流量は,各群に有意差は認められなかった.脾静豚血流量は肝硬変で有意に増加し,また門脈血流量に占める割舎も,肝硬変で増加傾向にあった.食道静脈瘤が大きくなるにつれ脾静脈血流量の門脈血流量に占める割合が増加傾向にあった.脾腫を認める肝硬変は,認めないものより脾静脈血流量が増加頃向にあり,また脾容積と脾静脈血流量との間に一次相関が認められた.本法は,再現性も良く,また既報のごとく,シネ血管法より得られた血流速度と良く相関し,門脈血行動態の解析に有用であると思われる.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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