肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
青森県に流行したA型肝炎についての疫学的研究
奈良 秀八洲相沢 道郎川部 汎康芳賀 陽一高橋 賢郎和田 一穂大川 正臣佐々木 大輔吉田 豊
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 25 巻 11 号 p. 1377-1384

詳細
抄録

昭和58年1月から4月にかけて青森県全域に632例のA型肝炎の流行をみた.この流行は血清学的にIgM-HA抗体検索により確定診断し得たA型肝炎では国内外の報告のうちで最も大規模な流行であった.患者の性別では1.7:1と男性に多く,年齢別では0歳から74歳に及んだが20~30歳代が75%と多く,50歳代以上は2.0%と少数であった.劇症肝炎が5例あり3例が死亡したが,いずれも男性であった.全発症者の74.8%が発症前に生ガキを摂取しており,同時期の非発症者対照群の摂取の率より有意に高く,青森県むつ湾内産のカキが感染経路として強く疑われた.生ガキ摂取から発症までの期間は平均29日であった.青森県内のHA抗体保有についての検診を行った.20歳以下でHA抗体保有率は0%で,30歳から50%を越え,36歳以上では80%以上と国内の疫学調査の結果と同じ傾向であった.

著者関連情報
© 社団法人 日本肝臓学会
次の記事
feedback
Top