肝臓
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B型慢性肝疾患におけるIgM型HBc抗体-transaminase動揺例での経時的測定による検討-
小池 和彦飯野 四郎倉井 清彦鈴木 宏三田村 圭二遠藤 康夫岡 博
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1984 年 25 巻 11 号 p. 1385-1393

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抄録

transaminase動揺を示すB型慢性肝疾患45例でIgM型HBc抗体を測定し,延べ66回のs-GPT一過性上昇時42回(63.6%)でIgM型HBc抗体陽性化を認めた.その最高値はs-GPTの最高値に平均3.6週遅れて出現した.抗体価はB型急性肝炎に比し低値であったが,11回(16.7%)でCI4.0以上を示し,これらの例ではB型急性肝炎との鑑別が困難と思われた.HBe抗体陽性例ではHBe抗原陽性例に比しIgM型HBc抗体陽性化率は高く,また前者の全例においてs-GPTの一過性上昇時にIgM型HBc抗体の有意な上昇を認めたことから,これらの症例でのs-GPT上昇がHBV増殖に由来する肝障害であることが推定された.IgM型HBc抗体の陽性化率は,急性増悪時のs-GPT最高値の低い例でむしろ高率であり,またHBe抗原量とは関連が認められなかった.IgM型HBc抗体の反応性を規定する因子としては,HBV量よりも宿主例の免疫反応の方が大きいと思われた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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