肝臓
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慢性肝炎における門脈域の血管系の電子顕微鏡的研究
特に門脈枝について
須藤 淳一
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1984 年 25 巻 11 号 p. 1420-1432

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抄録

慢性肝炎の針生検組織で門脈域の門脈枝の電顕的観察を行い,正常対照例と比較検討した.観察しえた門脈枝は,すべて内径が80μm以下の門脈末梢枝であった.慢性肝炎の門脈枝内皮細胞に,対照例では観察されなかった細胞質を貫く小孔の形成を発見し,門脈枝の有窓化と称することを提唱した.小孔を有する内皮細胞下腔は拡大し,同部に血管内容物やリンパ球を主とした単核細胞浸潤が観察されたが,内皮細胞の変性所見や細胞間接合部の開大は認められなかった.これらの所見は,慢性肝炎の門脈域では,有窓化した門脈枝の内皮細胞の小孔を通って,血漿成分の滲出や細胞浸潤がおこることを示している.この有窓化した門脈枝の認められる頻度を慢性肝炎の病型別でみると,CPHはCAHに比較して有意に少なく,その程度も軽度であった.しかし,CAH2Aと2B間には頻度でも程度でも明らかな差異は認められなかった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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