肝臓
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単離ラット肝実質細胞の亜分画に関する研究
筋野 甫松浦 知和本間 定蓮村 哲藤瀬 清隆永森 静志亀田 治男幡場 良明桐野 有爾田中 寿子鈴木 昭男
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1984 年 25 巻 11 号 p. 1433-1443

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抄録

collagenase灌流法および低速遠心法により単離したラット肝実質細胞をPercollを使用した新しい直線密度勾配遠心法により亜分画した.摂食および絶食ラットの単離肝実質細胞は死細胞を除き3亜分画に,70%肝部分切除3日後のそれは1亜分画,7日後は2亜分画に明瞭に分離した.摂食ラットの3亜分画細胞の小葉内分布を決定するためFluorescein diacetateの灌流および透過電顕,走査電顕により機能的・形態的に検討をした.その結果,低密度肝実質細胞は小葉中心域肝細胞,高密度肝実質細胞は小葉周辺域の肝細胞に一致した.中間密度肝実質細胞は形態学的には高密度肝実質細胞に近似していた.また亜分画細胞の可溶性蛋白量とglucose-6-phosphatase (G6Pase)を測定した.その結果,可溶性蛋白量は亜分画により著しい差を認めたが,G6Paseは若干の差を認めるのみであった.さらに,亜分画細胞は5日間初代単層培養され,形態学的特徴が5日間持続することを認めた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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