肝臓
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急性白血病に合併した真菌性肝膿瘍の2剖検例
古谷田 裕久南部 修二清水 幸裕宮林 千春市田 隆文中野 護井上 恭一佐々木 博若木 邦彦小泉 富美朝
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1984 年 25 巻 11 号 p. 1474-1482

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抄録

急性白血病に合併した真菌性敗血症による多発肝膿瘍の2剖検例を報告する.急性白血病に対する化学療法施行中,末梢血中の白血球数の減少とともに発熱が出現し,続いて低アルブミン血症,黄疸がみられ,肝機能検査では血清アルブミン値低下,III清ビリルビン,アルカリフォスファターゼ値の上昇がみられたが,血清トランスアミナーゼ値は正常もしくは軽度上昇したにすぎなかった.出血傾向や感染にもとづく全身状態の急速な悪化のために,各種画像診断は施行できず,黄疸の原因は病理解剖時まで不明であった.病理解剖により,1例はカンジダ敗血症による肝膿瘍,他の1例はムコール敗血症に由来する肝膿瘍が明らかにされ,黄疸は真菌性肝膿瘍によるものと考えられた.近年,抗腫瘍剤,副腎皮質ステロイドの使用増加に伴い,深在性真菌症も増加してきており,急性白血病患者の発熱,黄疸に際しては,真菌性肝膿瘍をも考慮すべきであると思われた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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