HBV感染症におけるHBVの初感染と持続性感染状態な鑑別する目的で,HBVの初感染によるAVH-B 42例と慢性HBs抗原carrier 183例につき,monoclonal anti-μおよびanti-γを用いで血清中のIgM class anti-HBcとIgG class anti-HBcを測定した.その結果,IgM class anti-HBcの測定ではAVH-B 42例中40例がS/N比20以上の高値を示したのに対し慢性HBs抗原carrierではほとんどが低値で,S/N比20以上を示したのは183例中15例のみであった.しかし少数例ではIgM class anti-HBcの測定のみでは両群の鑑別が不可能であったため,IgM class anti-HBcとIgG class anti-HBcの比を求めたところAVH-Bでは42例中41例が0.9以上を示し,逆に慢性HBs抗原carrierでは183例中180例がその比0.9以下を示し,両群の桐違はさらに明瞭となった.