肝臓
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B型肝炎ウイルスの初感染と慢性HBs抗原carrierとの鑑別
赤羽 賢浩清沢 研道野村 元積和田 秀一袖山 健長田 敦夫古田 精市内藤 成子津田 文男
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1984 年 25 巻 4 号 p. 477-482

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抄録

HBV感染症におけるHBVの初感染と持続性感染状態な鑑別する目的で,HBVの初感染によるAVH-B 42例と慢性HBs抗原carrier 183例につき,monoclonal anti-μおよびanti-γを用いで血清中のIgM class anti-HBcとIgG class anti-HBcを測定した.その結果,IgM class anti-HBcの測定ではAVH-B 42例中40例がS/N比20以上の高値を示したのに対し慢性HBs抗原carrierではほとんどが低値で,S/N比20以上を示したのは183例中15例のみであった.しかし少数例ではIgM class anti-HBcの測定のみでは両群の鑑別が不可能であったため,IgM class anti-HBcとIgG class anti-HBcの比を求めたところAVH-Bでは42例中41例が0.9以上を示し,逆に慢性HBs抗原carrierでは183例中180例がその比0.9以下を示し,両群の桐違はさらに明瞭となった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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