肝臓
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HBVキャリアの肝細胞および肝癌細胞におけるHBV DNAの存在様式
三田村 圭二井廻 道夫松崎 靖司大菅 俊明相川 達也原田 英治大林 明
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25 巻 (1984) 5 号 p. 622-629

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抄録

B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアの肝細胞および肝癌細胞におけるHBV DNAの存在様式を検討した.HBVキャリア52例中37例の肝細胞にHBV DNAが検出されたが,全て遊離の状態で存在し,染色体DNAに組込まれたHBV DNAは認められなかった.HBe抗原陽性キャリア36例中31例(86.1%),HBe抗体陽性キャリア7例中1例(14,2%)の肝細胞に遊離のHBV DNAが検出された.HBVキャリアの肝癌患者14例中13例(92.8%)の肝癌細胞DNAにHBV DNAが組込まれていた.そのintegration patternは一定ではなかった.15例中14例の非癌部肝細胞には染色体DNAに組込まれたHBV DNAは認められなかった.HBV DNAが非癌部肝細胞DNAに組込まれていた1例では再生結節に癌細胞の浸潤が認められた.制限酵素Eco RIとBam HIを組合せHBV DNAを2カ所以上で切断し検討を加えたが,HBVキャリアの肝細胞および肝癌患者の非癌部肝細胞DNAに明らかに組込まれたHBV DNAは未だ認められていない.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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