肝臓
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パルスドップラー複合装置による門脈血流速度の測定:シネ血管撮影装置にて求めた門脈血流速度との対比
大西 久仁彦斉藤 正之斉藤 正明寺林 秀隆杉田 周次郎塚本 俊彦田辺 雄一和田 勝則三島 昭彦波多野 等中山 隆雅野村 文夫高円 博文奥田 邦雄
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1984 年 25 巻 5 号 p. 646-651

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抄録

最近開発されたセクタ電子スキャン・パルスドップラー複合装置による門脈血流量の測定の有用性を知る為,12人の食道静脈瘤を有する肝疾患患者において,同装置にて最大門脈血流速度を測定し,同時にシネ血管撮影装置を用いて,経皮経肝的に門脈内に注入したリピオドール滴の流速を求め,それより求めた平均門脈血流速度と対比した.5人ではピトレシン,2人ではラニチジンの経静脈的負荷後も最大・平均門脈血流速度を測定した.ドップラー法で求めた最大門脈血流速度はシネ血管撮影法で求めたそれの約2倍を示したが,両者は有意の一次相関を示した(r=0.917, n=19). B-modeで得られる門脈断面積を使用して,平均門脈血流量の測定も可能である.今後セクタ電子スキャン・パルスドップラー複合装置は門脈血流量測定の有用な方法となりうると考えられる.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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