26 巻 (1985) 10 号 p. 1299-1306
B型肝炎ウイルス持続感染者を対象に,末梢血単球のinterleukin 1 (IL 1)産生能を測定し,B型肝炎とのかかわりについて検討を加えた.末梢血単球のIL 1産生能は,慢性肝炎非活動性,慢性肝炎活動性および肝硬変では,対照群との間に差は認められなかったが,無症候性B型肝炎ウイルスキャリアーでは,対照群,慢性肝炎非活動性および慢性肝炎活動性に比し高値を示し,その差は有意であった.また,末梢血単球のIL 1産生能は,肝組織像,各種B型肝炎ウイルス関連マーカーおよび各種肝機能検査成績との間に相関は認められなかった.
以上のことから,無症候性B型肝炎ウイルスキャリアーにおいて,macrophageのIL 1産生能が亢進していることが明らかとなり,macrophageのIL 1産生能の亢進が無症候性B型肝炎ウイルスキャリアーの成立に関与している可能性が示唆された.